ウィーン在住ピアニスト吉澤京子のらくがき帳
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クリムト「アデーレ・ブロッホ=バウワー像」をめぐる裁判の結果

グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)にちょっとでも興味のある人だったら黄金のバックグラウンドに彩られたこの肖像画をきっと一度は目にしたことがあるでしょう。1907年に描かれたこの作品、「接吻」(Der Kuss) に次いで有名なクリムトの代表作のひとつです。
この作品を含む5作品が「誰のものか?」という裁判の判決が昨日言い渡され話題になっています。争っていたのはこの肖像画のモデル、アデーレ・ブロッホ=バウワー(Adele Bloch=Bauer)の姪、マリア・アルトマンさんとオーストリア共和国。
勝ったのはマリアさんでした。
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ナチ統治下のオーストリアから逃亡、または捕らえられたユダヤ人の所有していたお金や美術品などは没収され強引に国のものになってしまったものが多くあります。共和国政府はそれらを戦後、もとの所有者に返還すべく法律を制定し取り組んできました。本件の5作品もナチから逃れるためオーストリアを去ったブロッホ=バウワー氏(モデルのご主人)から国が”受け取った”または”買った”もので簡単に考えれば国がマリアさん(氏は自分の遺書にこれらの作品の相続権をふたりの姪(そのうち一人がマリアさん)と甥に指定しています) に返還するのが筋が通っているようにおもうのですが・・・。国が意固地になって裁判にまでなったのはモデルのアデーレさんの遺書のせいでした。アデーレさんは遺書の中でご主人への「お願い」(Bitte) として自分の死後、これらの作品をオーストリアの美術館に渡してほしいと記していました。国はこれを争点にして一歩も引かないまま今回の判決をむかえたわけです。結局この遺書の「お願い」というのはあくまでお願いであってそれに従うかどうかはお願いされた人の意思次第。法的拘束力がこの「お願い」にはないという判断が下されたのです。 a0028065_18463656.jpga0028065_18564531.jpga0028065_18565867.jpga0028065_1857933.jpg
通称「金色のアデーレ(Goldene Adele)」とも呼ばれるこの作品、一点で想定価格一億ユーロ(約140億円!?)とも言われ、お金をめぐる争いではないとは言い切れないと思います。でもそれと共に、オーストリアを代表する画家として国の大事な広告塔の一人と言っても過言ではないクリムトの作品、それも代表作のひとつがもしかしたら国を出てしまうかもしれない(マリアさんはナチ時代にアメリカに亡命してアメリカ人になっています)という不安もあったと思います。マリアさんは「少なくともふたつの肖像画はオーストリアに留まってほしい。国に対しては当初から丁寧な態度で話し合いと和解を呼びかけてきたがそれに対して国はなんの反応もしなかった。このような判決が出て嬉しい。もちろん国との交渉は喜んでします。」とのこと。
今回のニュースは話題性が高く世間も注目したけれども、きっとこれは氷山の一角であって闘い続けている人たちがまだ沢山いるんだと思う。
戦後60年以上経ってもその傷跡の治療はまだまだ続いている。



社交界の女性としてただ一人複数枚の肖像画をクリムトに書かせたアデーレ。
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by kyoyoshi215 | 2006-01-17 19:59 | 街・人・風景(ヨーロッパ)