ウィーン在住ピアニスト吉澤京子のらくがき帳
by kyoyoshi215
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ワーグナー『ローエングリン』

この日は合計6時間余を『ローエングリン』とともに過ごしました。

日曜日午前11時。

ウィーンではスタンダードなコンサート開演の時間。
Stefan Mickisch(シュテファン・ミキシュ)氏による楽曲解説を聴きに行く。
聞いた話によるとStaatsoperのホレンダー監督と彼の間で一悶着あったとのことで
今回は"Freunde der Wiener Staatsoper"(ウィーン国立歌劇場友の会)の主催で
Theater an der Wien(テアーター・アン・デア・ウィーン)での公演でした。
(ホレンダー監督がどれだけ独裁力のある権力者であるかは計り知れないけど
すっかり満員になったこの劇場の様子からみてミキシュ氏との和解は近いかと・・・。)

彼はドイツ人のピアニスト。もともとコンサートピアニストとして幅広いレパートリーで
演奏活動をしていたのだけどあるときからワーグナーのオペラを中心に取り組み始め
自作のパラフレーズを弾いたり、ピアノを弾きながらの楽曲解説コンサートをはじめた。
バイロイト音楽祭では7年前からフェスティバルの間ほぼ毎日のように午前中の
解説コンサートを担当していて相当な人気。ウィーンにはここ数年進出。
ウィーンっ子にも大人気!
・・・と、簡単に説明すればこんなひと。

実は友人が彼と最近ひょんなことから個人的に知り合った経緯があって
前晩、ディナーをご一緒したのです。
(同伴していたミキシュの彼女さんを除いて3人ともピアニスト((@_@;)!?)
ということで音楽の話でいろいろ興味深い話が展開しました。
大変気さくなひとでバイエルンなまりの柔らかさも加わり
初対面でも打ち解けた雰囲気を作り出せるひと。
各地で人気者になるのがうなずけました。
ピアノ弾くだけでなくトークでも人を惹きつけるためのシンパティーが備わってるんですね。

さて、その楽曲解説コンサート。
ピアノで色々な例を、時に長く、時に短く演奏しながら解説していきます。
比較的簡単でわかりやすいと思われている『ローエングリン』ですが、
本当にそんな単純なただのメルヘンちっくな悲劇なんだろうか・・・?
わかっている、理解している・・・とそんな簡単に言えるだろうか・・・?
・・・という問題提起から導入。
特にそれぞれの場面、モチーフで使われている調性の持つ意味合いを
浮き彫りにすることを中心にしながら深く考察していました。
考察内容のオリジナリティーに関しては私自身がいままでどのような
考察が行われてきているのかを全く知らないので言及できませんが・・・。
(ごめんなさい、勉強不足で・・・。m(__)m)
様々なほかの楽曲、事柄とを関連づけることの巧みさは特筆ものです。
(私はコレが大変苦手なので、普通以上に感心していまいます、いつも)
話の内容の興味深さもさることながらセンスあるユーモア、
トークと演奏のバランス感覚などが優れていて休憩なしで2時間余という
ヘビーな時間を最後まで飽きさせることがありませんでした。
大変頭のいい人だと思います。(それはディナーの際にも既に思いましたが)

ピアノの演奏は少々の粗さはあるけれど、管弦楽的で大きな演奏。
ただピアノの音色を追求しているのではなくいつも何かの楽器が
イメージのなかにある。そして意外なほど情熱的な部分も垣間見せる。
私自身がコレペティとしての仕事において、学んできたこと目指してきたことと
オーバーラップする部分があって聴いていて「うん、うん・・・そうよね!」・・・と
大きくうなずきにやにやしたくなることもしばしば。

彼は今バイロイト近郊に住んでいるのですがウィーンに移ってくる計画で
いま、住処を物色中とのこと。
これから益々ウィーンでのコンサートも増えるんじゃないかと楽しみです!


同・日曜日午後17時半。

約4時間かかる『ローエングリン』は始まる時間もやや早め。
楽曲への興味を思いっきり刺激された私はダメもとで突発的に思いつき
開演直前にオペラ座へ行ってみました。
正規のチケット状況は完売。
しかし、しかし・・・よくあることですが何らかの理由で残ってしまったチケットを
売りに来ている人たちが必ずいるものなのです。
そして、開演10分前に到着した私の行く先には運良く10人近くもの売り手がいて
思いっきり買い手市場!!
180ユーロの席を結局20ユーロで手に入れてParkett(平土間)前から6列目でした!
演目がワーグナーの場合、直前に買い手市場になることが多いようです。
観光で疲れて5時間もの上演時間を前にして直前でくじけてしまう人が多いからかも!?
ラッキーでした!

先日観た”Die tote Stadt”もそうでしたが、
指揮者(Semyon Bychkov)がよいと、または指揮者とオケとの関係がよいと、
オケがこんなによく鳴るものかと、わかりきっていることながら改めて感じました。
もちろん、楽曲のせいもありますけど。
どうやらウィーンフィル、ワーグナー好きみたいですね。

歌手も粒ぞろい。ElsaのSolie Isokoskiは最初ちょっと弱い感じがしないでも
なかったのですが、時間と共にどんどん良くなっていきました。
もしかして計算の上だったのかしら・・・と思ってみたり。
大変繊細な声にもかかわらず決してオケの中に埋もれてしまうことなく
その声色は常に耳に届く。かといって嫌な強さではない。すごいです・・・。
OrtrudのJanina Baechleは登場と共にその存在感が凄くて
声も恐ろしく強い!最初から最後まで強烈な「強さ」を見せ付けてました。
キャスティングの勝利かしら。
Ortrudの方がElsaよりも演じやすく、個性も出しやすい得な役と言えなくもないと
私は思いますけれど。『ドン・ジョヴァンニ』のDonna Anna対Donna Elviraの様に。
もちろん男声陣も素晴らしかったのだけどなぜか女声陣のほうがより印象に残りました。

よ~く思い起こせば確かにタイトルロールを演じたJohan Bothaも凄かったのに・・・。
ひとつ特筆したいのはKönig Heinrich役の韓国人・Kwangchul Youn。
だれよりも一番言葉がきれいで字幕の助けなくすべてがはっきり聞き取れました。
声に言葉を乗せることがこんなに上手なひと、最近ではThomas Quastohoffで
目の玉飛び出て以来かもしれません。
ネイティブスピーカーでないというある意味でのハンディキャップが
逆に大きな力となって特筆すべき長所に変貌したお手本といえるかもしれません。

そして、合唱がまた、素晴らしかったです!
久々にあれだけの人数の大合唱。
人数が多くなればなるほどアンサンブルの難しさが増すものですが、
その点も危なげなくクリア。時々個々の声が混じらずに個性を主張しているのが
見受けられましたが、それがオペラの合唱の醍醐味であって私個人は大好きです。

演出に関しては・・・。ここがいつも私にとっての鬼門。
どうしても「?」を強いられてしまう。
多くを語ることのできない領域です。

オペラは総合芸術であるのだけど、やはり音楽的満足度が私にとっては一番重要かも。
このところ、当たり続きで嬉しい限りです。(*^^)v
『ローエングリン』との長い一日は満腹度満点の心地よい疲れをもって終了。

長文を最後まで読んで下さった方、ありがとう。
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by kyoyoshi215 | 2006-03-07 18:42 | 音楽