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ウィーン在住ピアニスト吉澤京子のらくがき帳
by kyoyoshi215
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コルンゴルト「死の都」(Korngold:Die tote Stadt)

招待券を手に入れた友人と一緒に久々にオペラ座に行ってきた。
演目はエーリッヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(Erich Wolfgang Korngold)の
「死の都」(Die tote Stadt)。

コルンゴルトの名前は知っていても作品も全然知らないしこのオペラのことも全く知らなかったのでいろいろ調べた。1897年生まれのオーストリアの作曲家。11歳の時書いたバレエ音楽がすぐオペラ座で取り上げられるなど神童ぶりを発揮。オペラ「死の街」を書き始めたのは20歳のとき。そして初演時、23歳。初演はケルンとハンブルグで同時に演じられ大成功。時代の寵児としてもてはやされたようだ。晩年にアメリカに渡って映画音楽作曲家としての名声を築くのと引き換えに若いころの作品も残念ながら低く評価されるようになってしまったとのこと。

きわめて大きいオーケストラ編成でバランスの問題はかなりあるけれど大変多彩な響きの世界は耳を飽きさせることがない。リヒャルト・シュトラウス、フランツ・レハール、プッチーニといった面々の影響をかなりはっきり聴きとることができて時々くすっと笑ってしまうことも。(あっ、『バラの騎士』だ、『サロメ』だ・・・ってね) 耳に簡単に残る美しいメロディーのアリアもあり、当時は流行歌としてかなり歌われたらしい。かなりキッチュ(Kitsch)だけど胸が悪くなるようなものではない。

昨晩の公演は全体のバランスのとれた素晴らしい出来だった思います。
まず、指揮者のダニエル・ランニクルス(Daniel Runnicles)がいい。ウィーンフィルの音がオペラではなかなかそう頻繁には聴けないような高品質の響きを放ち続けていたのはやっぱり指揮者のおかげ。(友人に言わせると二日前に聴いた『フィデリオ』とは別のオケみたいだそう~よくあることですが~)歌手とのバランスがえらく大変だと思うのに響きを損なわせることなくその点もクリア。お見事。
いやぁ、いい指揮者ですねぇ・・・。オーケストラにも好かれているようでした。
そして演出。ヴィリー・デッカー(Willy Decker)の演出の好評判は以前からよく耳にしているけど、御意。舞台の上下、左右、前後の空間を時間軸、または人物の心象を表現することに最大限に利用し、わかり易い。昨今の新演出によくありがちなわけのわからない「???」という意味不明のことがない。かといって前時代的に台本にただ従うだけのものではなく彼の独自の解釈の表現がきちんとしたメッセージ性をもって見え隠れする。
ん、こちらもお見事。
歌手も粒ぞろいで過不足なくいいアンサンブル。作品がちゃんと聴こえてきました。
観応え、聴き応えのある堂々たる公演でありました。

終演後、友人が指揮者のランニクルスと面識があったので楽屋にご挨拶。
と~っても感じのよい方でポジティブなオーラを発していて、一緒に音楽するのがきっと楽しいだろなと容易に想像できました。前日の『バラの騎士』から二晩続けて大きなオペラを指揮。さぞかしお疲れだったでしょうににこやかにおしゃべりしてくださいました。

久々にウィーン国立歌劇場のクオリティーを堪能した晩でした。
by kyoyoshi215 | 2006-02-09 23:59 | 音楽